もののけ姫を何度も観ていて、気づいた方も多いですよね。
「あれ?たたらばには子供がいない?なんで??」
たたら場に子供がいないのはなぜでしょうか。
姫様の役割も気になるところですね。
また、たたら場の作中に出てくる病気のモデルはハンセン病と言われていますが本当でしょうか?
たたら場の女たちが歌っている歌の意味は?
今回は、「もののけ姫のたたらばに子供がいないのなぜで姫の役割はなに?歌の意味やハンセン病患者がモデルか調査」をご紹介します!
目次
もののけ姫たたらばには子供がいないのなぜ?
来週はもののけ姫!! pic.twitter.com/SWK2okiLTs
— ジブリまみれ (@ghiblimamire) August 6, 2021
もののけ姫のエボシが作ったたたら場には、子供が出てきていません。
老人や若者、病人など大人は出てきますが、子供達の描写がありませんでした。
どうも、子供たちがいないのは、「たたらばだから」という理由のようです。
つまり、たたらばは主に生活することが中心ではなく、働くための場所なんですね。
たたらばに子供がいない理由は何?
もののけ姫の中でのたたら場は、まだ開拓途中の地であり、森のもののけが襲ってくる危険な場所でもあります。
そこに子供を安心して育てることは無理でしょう。
そのため、家族や仲間の子をたたら場に置かないことを決めたのだろうと考えられます。
また、ここでは村で働けなくなった事情を抱えた者たちが集まってできた場所であることが伺えます。
病気の者たちを囲い、仕事を与えたり、女たちにたたら場での重要な役目を担わせたりとしているエボシは、人々に価値のある存在であることを伝えるために、このように全ての人たちに仕事をさせていたのではないでしょうか。
たたら場とはどういう場所?
たたら場とは、昔の製鉄所のことです。
砂鉄や鉄鉱石をを鉄に変えるために、粘土製の炉で木炭を利用して還元する方法で、古来から日本で受け継がれている製鉄方法です。
火をおこしたら、4日5晩は作業を続けねばならない過酷な作業です。
たたら場は、村から少し離れたところに作られ、いわゆる自治区のようになっていました。
ここでは、たたら場で働く者とその家族が共に住み、生活を共にしていたようです。
通常、たたら場での仕事は、男子が行うのですが、もののけ姫の中では女性が行っていますね。
もののけ姫の姫の役割はなに?
ここでいう姫とは、たたらばでとりまとめをしているエボシ様のことです。
彼女の役割はなんでしょうか。
宮崎駿監督は、彼女を「革命家」のように見ていたそうです。
エボシ様は、侍が天下をとった俗世を避けて、山間に村を作ることで新しい土地の開拓に乗り出しました。
そこにやってくる者は誰でも受け入れ、全ての人に仕事を与えることで生きる意味を作ったのです。
彼女は、この村で生きていく人たちにとって、恩人なんですね。
また、この村を守り、生き抜いていくためには、襲ってくる獣たちを返り討ちにしなくてはいけませんでした。
身の危険を感じ、共存できないと感じたからこそ、山神様までも狙ってしまったのでしょう。
行き過ぎた部分があるにしても、村の人たちへの愛情であることは間違い無いですね。
もののけ姫に出てくる歌の意味はなに?
もののけ姫のたたらばで、女性たちが歌う歌の意味はなんでしょうか。
こちらが、映画で歌われていた歌の内容です。
ひとつふたつは赤子もふむが みっつよっつは鬼も泣く泣く
タタラおんなはこがねのなさけ とけて流れりゃ刃に変わる
ひとつふたつなら赤子も踏めるが、みっつよっつとなると鬼も泣くほど辛い
タタラおんなが鉄を作ってお金を生み出す、鉄が溶けて流れていきやがて刃を作る
鬼も泣き出すほど辛い作業を行い、刀を作って金を生み出すことができる
ということを、歌に乗せながら自分たちを奮い立たせていたのかもしれないですね。
もののけ姫のたたらばのモデルとなった舞台
たたら場は、島根県雲南市にある「菅谷たたら場山内」がモデルとなっています。
今でも残るこのたたら場は、現在は観光地となっており、現存しています。
また、たたら製鉄が行われていた高殿は、昭和42年に国の重要有形民俗文化財として登録されています。
実際にこの地で製鉄が行われていたのですね。
現在は、中を散策できるように老朽化されている箇所は都度、修理をしていて、しっかり管理されているそうです。
それぞれの建物をじっくり見ることができ、穏やかな空間でのひとときを過ごせそうです。
すでにこの菅谷たたら場山内で製鉄を行っていた人は1人もいませんが、地域の人たちは、この建物と土地をとても大切にしているそうです。
もののけ姫で出てくる病気はハンセン病?
たたら場の中で、離れに集まっており、包帯を巻いている病人たちの病気は、ハンセン病であることが分かっています。
ハンセン病は、らい菌と呼ばれる細菌に感染すると、皮膚に斑点が現れて、そこから感覚を喪失していきます。
放っておくと、菌が神経にまで及び、身体が徐々に変形していきます。
人から人への感染はしますが、その感染力はかなり弱いということが分かっています。
現在、ハンセン病の治療は確立されており、感染力はかなり低いことが分かっていますが、昔はハンセン病患者から感染することを恐れられ、この病気にかかった者はみんな隔離されていました。
日本でも、長らく「ライ病法」により多くのハンセン病患者たちが隔離されていましたが、1996年にこの法律が廃止されたことにより、日本でもハンセン病に対する正しい情報が一般の人たちにも伝わるようになりました。
宮崎監督は、幼少期に住んでいた場所の近くに、ハンセン病患者の施設があることを知っていたが、関わることはなかったようです。
しかし、1299年に詞書をされた絵巻「一遍上人絵伝」を読み、ハンセン病患者も生きて労働を行っていたことを知り、武士と百姓だけを描くのではなく、取りこぼされた人たちも描きたいという思いから、ハンセン病患者の描写を入れたそうです。
もののけ姫のテーマの一つは、「生きる」ことですので、どんな病気や苦難があっても生き続けたハンセン病患者たちのことを伝えたかったのだろうと感じられます。
まとめ
今回は、ジブリ映画「もののけ姫」のたたら場について掘り下げました。
子供がいない理由や、たたら場のモデルとなった舞台や、ハンセン病の描写の意味、そしてたたら場で女たちが歌う歌の意味を紹介しました。
- たたらばに子供がいないのは、新興開拓の土地でありもののけに襲われることもあるから
- たたら場のモデルとなった舞台は、島根県の菅谷たたら場山内
- 作中に出てくる病気はハンセン病患者
- おんなたちが歌ってる歌は、辛い作業から自分たちを励ますために歌っている
- もののけ姫のエボシ様は村を作った革命家
宮崎駿監督は、全て空想で終わらせず、過去の日本の姿を上手く取り入れながら、ファンタジーめいた描写も現実味のある姿で物語を構成しているので、私たち視聴者は何度見てもそのキャラクターや作品そのものに惹かれてしまいますね。
今回は「もののけ姫のたたらばに子供がいないのなぜで姫の役割はなに?歌の意味やハンセン病患者がモデルか調査」をお送りしました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。